球磨地域が育んできた豊かな森林資源という「遺伝子」。それを深く、そして新しく、共に体験できる場をつくりたい。ここでしかできない空間体験が共有された思い出になって、人と人をつなげていってほしい。そこで「木のお化け=異様なもの」のようにも見える壁が林立するイメージが浮かびました。森から取れた木を束ねたどっしりした壁群は、構築しながらばらばらのようであり、強そうでいながらやさしいものです。
木の壁が顔
キャンパス入口付近では、建物の大きな木壁の連なりが球磨工業高校の顔となり、地域の豊かな森林資源をイメージさせる。
連続性を生む多角形
多角形平面はセントラルパークを中心としたキャンパスでも容易に連続性を生みだす。セントラルパークへの動線を重視した平面、外構計画がそれを補強する。
柔軟な平面と豊かな空間
2階建、最高高さ・軒高とも9m以下の木造建築として計画。6角形を組合せた平面形は、プロポーションを変化させることで内部機能に柔軟に対応、ゆらめく動線が豊かな空間体験を生みだす。ランダムに向いた3角形の壁柱は屋根面により連結され、全体で安定したフレームを構成する。
壁柱の折重なる洞窟
長手方向は追掛大栓継手、角材同士はボルト+木栓で積層した壁柱が構造フレームを構成。外部は塗装で保護、内部は素地として、木材の豊かな香りと質感を楽しむ。薄暗い洞窟にやわらかな光が差し込む。